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【2015年度+R個人奨励奨学金採択者】河田麻実さんインタビュー

英語教育を通じて探る
都市と地方の一方通行ではない関係

河田麻実さん(文学部3回生) 国際交流団体の一員として徳島県の英語村プロジェクトに参加した後、牟岐町を拠点としたNPO法人ひとつむぎの設立に関わる。

河田麻実さん(文学部3回生)
国際交流団体の一員として徳島県の英語村プロジェクトに参加した後、牟岐(むぎ)町を拠点としたNPO法人ひとつむぎの設立に関わる。

■きっかけは教育格差への問題意識

徳島県との付き合いは、国際交流団体のスタッフとして英語村プロジェクトに関わった1回生の終わり頃から始まりました。英語村とは高校生の進路の選択肢を広げることを目的に、アメリカの大学生との交流の場を提供するという徳島県教育委員会の事業です。私自身に留学経験はありませんが、英語が得意だったことと、地方でそうした取り組みを行うということに意義を感じ運営に携わりました。私は岡山県出身なのですが、中高共に語学教育が盛んな学校に通い、教育環境では恵まれていたと思っていたし、がんばってきたという自負もありました。それが大学で京都に来てみると、留学生や帰国子女が当たり前にいて、この差は何なのだろうと・・・。こうした教育格差への問題意識が活動の背景にありました。

■地方で活動することの難しさ

ところが準備段階で早速つまずいてしまいました。会場は徳島県南部の牟岐町という山間部だったのですが、徳島駅から汽車で2時間近くかかる上に本数も少ない。教育へのアクセスどころか、実際の交通手段すら限られているわけです。東京出身のメンバーはカルチャーショックを受けていましたし、行程は全て見直すことに。また、良いと思う企画を提案しても、なかなか事が運ばない。まずは仲良くならないと、話を聞いてもらえないのです。私はその文化をなんとなく肌で理解できたけれど、ずっと都会で過ごしてきた東京勢には未知の感覚のようでした。私達よそ者が地元の人達に信頼してもらうには時間が必要で、どちらの気持ちもわかるはずの自分が上手く調整役になれなかったことを歯痒く思いました。

■新たな取り組みに向けて

英語村自体は大成功で、グローバルに活躍する未来を想像して、高校生たちは目を輝かせていました。一方で、都市の価値観を地方に持ち込むだけで良いのかという疑問が私の中で生まれていました。もっと地元との信頼関係を築いて、実情にあったプログラムを考えるべきだし、地方のリアリティを都市へ発信することも必要ではないかと。そんな想いを共有したメンバーで、より地域に根ざしたNPOを立ち上げたのが2回生の秋のことです。拠点である牟岐町はまさに限界集落で、統廃合の未来が近いとも言われています。でも、たとえ自治体としての名が消えても、牟岐町で学び育った経験は子どもたちの中で生き続けるはず。学生の私にできることは限られていますが、得意分野を生かして子ども向けの英語プログラムを企画し、それが地元の人達だけでも運営できる仕組みを考えています。

■“伝えること”をライフワークに

牟岐町での取り組みを知ってもらうため、大学の授業などでゲストスピーカーとしてお話させていただくのですが、興味はあってもいざ一緒に活動をとなると交通費が出せずに諦める学生がほとんどです。私が続けてこられたのは+R個人奨励奨学金があったから。おかげで社会人や他大学の人達とも関わることができ、卒論や自分の生き方そのものを考えるきっかけにもなりました。例えば+Rを通じて知り合った方からは、地方の過疎化や貧困と、地域振興の一環としての原発誘致は地続きの問題だということを教わりました。そのことと、大学のプログラムでドイツに滞在した時に目の当たりにした、原発に頼らないエコな町づくりに取り組む市民の姿とが自分の中で繋がり卒論のテーマが生まれました。どうすれば地方自らが力をつけて人を呼びむことができるのか? 学生最後の年はこの難しい問いに精一杯挑戦し、卒業後も引き続き牟岐町や学生生活の中で得た経験や気づきをできるだけ多くの人に伝えていきたいです。

※+R個人奨励奨学金とは?
正課や課外活動の枠組みを超え、学生の主体的な学びを育成する立命館大学の奨学金制度。校友会未来人財育成基金の使途としても活用されています。

立命館大学校友会

未来人材育成基金では皆様の善意を「GIFT」と呼んでいます。

感謝の気持ちを込めてご支援頂いた 方のお名前と金額を掲載しています。

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